藤森神社・駈馬神事(読み方:ふじのもりじんじゃ かけうましんじ)は、京都府京都市伏見区にある、藤森神社の藤森祭(ふじのもりさい)で、毎年行われます。
参道に設けられた特設馬場(ばば)、長さ約180mの直線を駆け抜けながら、馬上で技を披露します。
まず距離やスピード等を確認する為、技を披露せずに駆け抜ける素駈(すがけ)を行い、次走から技を披露します。
藤森神社・駈馬神事・7つの技一覧
以前はもっと種類があったようですが、現在は披露されるのは7つのみで、この中からそれぞれが選んで披露します。
▼手綱潜り(たづなくぐり)
敵矢の降りしきる中を駈ける技で、馬の右側面(首の付け根あたり)まで体をもぐらせ、手綱よりも下で両手を広げ、右手(刀、花笠を持つ場合もあり)を高く上げ、右脚も高く上げ(シャチホコ状態)ます。
▼逆乗り(さかのり)
地蔵とも呼ばれ、敵の動静を見ながら駈ける技で、走行中に後ろ向きに体制を180度変えます。
▼矢払い(やばらい)
敵矢を打払いながら駈ける技で、両手から長い糸のようなものを出し、左右に払いながら進みます。
▼横乗り
敵に姿を隠して駈ける技で、右側の鐙(あぶみ)だけに乗ります。
▼逆立ち(杉立ち:すぎだち)
敵を嘲り(あざけり)ながら駈ける技で、馬の右側面(首の付け根あたり)に頭をもっていき、鐙を掴みながら逆立ちします。
▼藤下がり(ふじさがり)
敵矢が当たったと見せて駈ける技で、右側に身体を投げ出して逆さまになり、両手は地面に向かって伸ばし、右脚は天に向かって伸ばします。
▼一字書き(いちじがき)
前線より後方へ情報を送りながら駈ける技で、木の板に一文字を書き、書いた文字を周囲に見せながら進みます。
藤森神社・駈馬神事の服装
バッチョ笠、赤いシャツ、黒い網襦袢(あみじゅばん:網の目にあんだ短い衣)、乗馬ズボン、足袋
藤森神社・駈馬神事の始まりや由来、歴史、起源は?
781年(天応元年:てんおう)に、早良親王(さわらしんのう)が東北の反乱を鎮める際、出陣前に行った儀式を再現したもので、1200年以上の歴史があるそう。
藤森神社駈馬として、1983年(昭和58年)6月1日に、京都市指定無形民俗文化財に登録されています。
藤森神社・駈馬神事は、いつ行われるの?
毎年5月5日(藤森祭5日目、最終日)に行われます。
藤森神社の場所・住所(アクセスと駐車場)
京都府京都市伏見区深草鳥居崎町609
▼自動車
名神高速道路京都南ICより約10分
※専用駐車場はありません
▼電車
JR奈良線藤森駅より徒歩約5分
京阪電気鉄道京阪本線墨染駅より徒歩約6分