室生神社・流鏑馬神事(読み方:むろうじんじゃ やぶさめしんじ)は、神奈川県足柄上郡山北町(あしがらかみぐんやまきたまち)にある、室生神社の例大祭で毎年行われます。
馬上から的を弓で射る2人の射手(いて)は、神社前の道路に厚さ10cmに砂を盛って設けられた、長さ約270mの直線馬場(ばば)を駆け抜けながら、3つの的を狙います。
2頭一緒に駆け出し、1頭が先導します。先導が的に近づくと、軍扇(ぐんせん)を掲げ露払いをし、後続の射手が的を狙います。先導と後続の射手が交代し、合計5回走行します。
スタート地点を馬場元(ばばもと)と呼び、一の的(いちのまと)、二の的(にのまと)、三の的(さんのまと)、ゴール地点を馬場尻(ばばじり)と呼びます。
的は一辺約90cm(三尺)の杉板で、高さは約2.73m(九尺)の棒に取り付けられます。
馬場の進行方向の左側に的があり、的が無い方に埒(らち)が設けられます。
室生神社・流鏑馬神事の流れ
▼馬場駈け(ばばかけ)
鉢巻、襷(たすき、)法被(はっぴ)、足袋姿で、裸馬(はだかうま:鞍などの馬具をつけてないじょうたい)に乗り、2頭一緒に馬場を駆け抜け、1往復します。
▼流鏑馬開始の式(やぶさめかいしのしき)
法被姿から後述する正装に着替えたあと、騎乗したまま拝殿前で、神官によるお祓いを受けます。
▼馬場入りの儀(ばばいりのぎ)
宮司を始め神事関係者で行列し、拝殿東側から裏を通り馬場から、垢離取場(こりとりば)へ向かいます。
▼垢離取りの儀(こりとりのぎ)
垢離取場の中央に設けられた御幣(ごへい:お祓いなどに使われる2本の紙垂(しで)、竹または木の幣串に挟んだもの)を、右回りに3周し、馬の足と口を水で浄め、騎手も口をすすいだあと戻ります。
▼流鏑馬始式(やぶさめはじめしき)
一の的を鳥居前で社殿のほうじぇへ向けて立て(人が押さえます)、的を中心に左回りに3周したあと、1頭が的一の的を狙います。
もう1頭は馬場尻(ゴール地点)へ向け駆け出し、後続が続いて二の的、三の的を狙います。
▼騎射(きしゃ)
流鏑馬本番になります。3走目を終えると、先導と後続の射手が馬を交換して乗り替わり、残り2回、合計5回走行します。
室生神社・流鏑馬神事の服装
左三つ巴(ひだりみつともえ)が描かれた兜、狩装束、陣羽織(じんばおり)、馬乗り袴(はかま)、箙(えびら:矢を入れる容器)、足袋
和鞍(わぐら)を使います。
室生神社・流鏑馬神事の始まりや由来、歴史、起源は?
源頼朝(みなもとのよりとも)の石橋山(いしばしやま)挙兵の際、土豪(どごう:豪族、小領主)の河村義秀(かわむらよしひで)が平家方に味方した為、領地を没収され処刑されるところを、鎌倉で流鏑馬の技術により赦免され、旧領地に復帰出来た故事によるそうです。
室生神社の流鏑馬として、1995年(平成7年)2月14日に、神奈川県指定無形民俗文化財に登録されています。
室生神社・流鏑馬神事は、いつ行われるの?
毎年11月3日に行われます。
室生神社の場所・住所(アクセスと駐車場)
神奈川県足柄上郡山北町山北1200
▼自動車
東名高速道路大井松田ICより約11分
専用駐車場はありません。
▼電車
JR御殿場線山北駅より徒歩約8分
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