基本は大きく分けると、4種類の走り方・歩き方(歩法:ほほう・歩様:ほよう、英語ではgait:ゲイト)があります。
さらに、特定の品種のみが行う、特殊な走り方も存在する為、馬の走り方の種類と違いを詳しくみていきましょう。
常歩
常歩(なみあし)、英語ではwalk(ウォーク)。
4本の肢(あし)を1本ずつ、左後肢(こうし)→左前肢(ぜんし)→右後肢→右前肢の順番で動き出し着地する、4拍子の歩法です。
※常歩の速さは、時速約6㎞程度
速歩
速歩(はやあし)、英語ではtrot(トロット)。
4本の肢を2本ずつ同時に、左前肢と右後肢→右前肢と左後肢で動き出し着地する、2拍子の歩法です。
対角線上の肢が対になって動く為、斜対歩(しゃたいほ)と呼ばれます。
※速歩の速さは、時速約13㎞程度
側対歩
側対歩(そくたいほ)、英語ではpace(ペース)。
4本の肢を2本ずつ同時に、右前肢と右後肢→左前肢と左後肢で動き出し着地する、2拍子の歩法です。
片側の肢が対になって動く為、側対歩と呼ばれます。特定の品種が行う為、全ての馬が出来るわけではありません。
駈歩
駈歩(かけあし)、英語ではcanter(キャンター)。
4本の肢の運びが左右非対称になる為、右手前(みぎてまえ)駈歩、左手前(ひだりてまえ)駈歩という2つがあります。
後肢→前肢と後肢→前肢と動き出し着地する、3拍子の歩法になるので、3拍子の中で最後に着地する肢が、左右どちらになるかで決まります。
※駈歩の速さは、時速約20km程度
左手前駈歩
右後肢→右前肢と左後肢→左前肢と動き出し着地すると、左手前駈歩となり、最後の左前肢が大きく前に出るのが特徴です。
右手前駈歩
左後肢→左前肢と右後肢→右前肢と動き出し着地すると、右手前駈歩となり、最後の右前肢が大きく前に出るのが特徴です。
襲歩
襲歩(しゅうほ)、英語ではgallop(ギャロップ)。
4本の肢の運びが左右非対称になる為、右手前(みぎてまえ)襲歩、左手前(ひだりてまえ)襲歩という2つがあります。
4本の肢を1本ずつ、後肢→後肢→前肢→前肢と動き出し着地する4拍子の歩法になるので、4拍子の中で最後に着地する肢が、左右どちらになるかで決まります。
※襲歩の速さは、時速約60~70km程度
右手前襲歩
左後肢→右後肢→左前肢→右前肢と動き出し着地すると、右手前駈歩となります。
このように肢が動く順番が交差するので、交叉襲歩(こうさしゅうほ)と呼ばれます。
左手前襲歩
右後肢→左後肢→右前肢→左前肢と動き出し着地すると、左手前駈歩となります。
回転襲歩
回転襲歩(かいてんしゅうほ)。
襲歩の1形態ですが、競馬のスタートダッシュや走行中に手前を変える時など、限られた場面でしか使われません。
肢が動く順番が交差しないでグルッと1回転するので、回転襲歩と呼ばれます。
右手前回転襲歩
右後肢→左後肢→左前肢→右前肢と動き出し着地すると、右手前回転襲歩となります。
左手前回転襲歩
左後肢→右後肢→右前肢→左前肢と動き出し着地すると、左手前回転襲歩となります。
特殊な馬の走り方の種類
英語でambling gaits(アンブリング ゲイツ)又はamble(アンブル)と呼ばれる、4拍子の歩法が複数あります。常歩より早く駈歩より遅いですが、4拍子なので2拍子の速歩とは異なります。
全ての馬が出来るわけではなく、訓練によって身に付けられる場合と、自然に行っている場合があります。
※DMRT3遺伝子が、馬の歩行パターンに影響を及ぼし、DMRT3遺伝子に変異があると、特殊な歩法を行えるようになるという研究発表が、2012年に行われています。特定の品種が自然に行っているのは、このパターンです。
スローゲイト(slow gait)
片側の前肢と後肢が、ほぼ同時に地面を離れ、後肢が先に着地します。
ラック(Rack)
片側の前肢と後肢が、ほぼ同時に地面を離れ、左後肢→左前肢→右後肢→右前肢の順で、均等な間隔の拍子で着地します。
※アメリカンサドルブレッドに最も多くみられます。
トルト(tölt)
肢を運ぶ順番はラックと同じですが、ラックは2肢が地面に着いていますが、トルトは1肢→2肢→1肢→2肢が地面に着くのを繰り返します。
片側の前肢と後肢が、ほぼ同時に地面を離れ、左後肢→(左後肢のみが地面に着いてる)→左前肢→(左前肢のみ地面に着いてる)→右後肢→(右後肢のみ地面に着いてる)→右前肢→(右前肢のみ地面に着いてる)の順で着地します。
※アイスランド固有種のアイスランディックホースや、関連品種にみられます。
フォックストロット(fox trot)
対角線上にある2本の前肢と後肢が、同時に地面を離れ、前肢→後肢の順に着地します。
※アメリカ原産のミズーリ・フォックス・トロッターに多くみられます。
トロチャ(trocha:スペイン語)
対角線上にある2本の前肢と後肢が、同時に地面を離れ、前肢→後肢の順にわずかに早く着地します。
着地の音を聞くと分かるので、動画の音で確認してみてください。
※コロンビアクリオージョに多くみられます。
パソ・リャノ(paso llano:スペイン語)
片側の前肢と後肢が、ほぼ同時に地面を離れ、左後肢→左前肢→右後肢→右前肢の順で、均等な間隔の拍子で着地します。
前進する際に、前肢を外側へ回転させて振る、テルミノ(termino)と呼ばれる動きをします。
※ペルー原産のペルビアン・パソにみられます。
ランニングウォーク(running walk)
4本の肢(あし)を1本ずつ、左後肢(こうし)→左前肢(ぜんし)→右後肢→右前肢の順番で動き出し着地します。
常歩と動きは同じですが、常歩が時速約6㎞程度なのに対し、ランニングウォークは時速約10㎞程度と速度が異なります。
※アメリカ原産のテネシー・ウォーキング・ホースにみられます。
